幽霊が見える人
霊感がある、などとよくいうが、それはよく幽霊を見たりする人は、そういう特別な五感以外の感覚があり、普通の人が見たり感じたりできない幽霊をまるで五感で感じるように見えたりする人のことをいうようだ。
これは、よくいわれるように、遺伝的によく見える人がいるようで、特に女性に多く、男性は少なく、両親のどちらかに霊感があれば、その子供にも霊感がある場合が多い。というか、ほとんど遺伝のようである。
なぜ物質でないはずの精神的存在が目に見えるのだろうか。
プラトン全集の対話篇「パイドン」では、ソクラテスは魂(スピリット・つまり霊のこと)は不可視である、としていて、墓場で見られる幽霊はその魂が幻になって見えている、としている。
怪談などによると、霊感がある人でも、幽霊もしくは霊体がハッキリ見える人と、ぼんやり白いもやのように見える人と、また、半透明のゆらゆらとしたうすい液体のように見える人がいるという。
また、だれにでもハッキリと生きている人間のように見える場合があり、たいてい白い服を着ている。めったに黄色と赤のストライプの服を着ていることはない。
なぜなのだろうか。
思うに、精神である霊そのものと、その肉体をつなぐための中間物質のようなものがあり、それが精神と肉体をつなぐ接着剤のような役目をしているのではないだろうか。
知人の大工さんが若いころに電動のこぎりで左手の指を切断してしまった。
それにもかかわらず、そのなくなった指先が時々かゆくなって困ると言っていた。
また、事故で片腕を失った人が、死んで霊体になったのが目撃されると、なぜか失ったはずの片腕があったという。
よく聞く話である。
つまり、その魂と肉体をつなぐ役目をしているのが、よく知られている幽霊の実体であり、それが形を作っていて、霊感のある人々に目撃されるのだろうと思われる。
よくエーテル体とかアストラル体などと呼ばれているのが、この物質ならぬ物質のことだと思う。
それで、ここからは仮にエーテル体と呼ばせてもらう。
犬や猫がよくあらぬ方向を見て驚いたり、目で追ったり、ほえたりしていても、われら人間には何も見えない。
おそらく彼ら動物にはエーテル体を見ることができる能力があるのだと思われる。
同じように、人間にもそういうもの、エーテル体を認識できる目を持っている人がいて、その見える能力は当然、色盲のように遺伝するのだろう。
色盲の遺伝は男性に多い。女性に霊感がある人が多い、というのも納得できる。女性は色彩感覚が男性よりも格段にすぐれている。
霊そのものと、エーテル体が合わさって、霊体となって見えていると考えられる。
このエーテル体は精神作用(念じる力)によって自由に形を変えることができるらしく、それゆえ、ふだんの自分と思っている形に自然になっているらしい。
だから、思い思いの服装になれるようだが、派手な色に変化させることはむずかしいようだ。
多くは、単純な白い色のみであらわれるわけである。
また、この物質は(物質ではないが)意志の力で透明になったり、白くなったり、半透明になったりできる。だからいきなりゆうれいがあらわれたり、ゆっくりと消えていったりする。
エーテル体は物質ではないので、物質としての制約がない。瞬時に移動したり、高速移動、テレポーテーション、壁をすり抜けたりもできる。
ただし、電気やそれに付随する磁気は苦手なようで、強い電磁波のある場所は通り抜けられないようだ。
映画「ゴーストバスターズ」でも、電気によって魔物を捕まえて閉じ込める場面があるが、実際にできるのかもしれない。
このエーテル体が肉体から離れてしまうと、幽体離脱となるが、肉体との接着部分はまるで電気回路のコードの束のようになってつながっていて、伸び縮みして、霊体と肉体をつなぎとめている。
これが、幽霊が見える人と、見えない人がいる理由だろうと考えている。
幽霊の写真が流行していたころ、よく霊媒師が鼻から出していたエクトプラズムという物質がたぶん、エーテル体だったのだろう。
エーテル体はエネルギーを持っていて、光を放っており、霊感のある人には肉体の中にある状態でも、オーラとしてその光を感知できるのかもしれない。