現代魔術 錬金術のしくみ
現代魔術 錬金術のしくみ
魔法や魔術はけっして過去の作り話や迷信などではない。
お金、すなわちマネーは魔術師が作り上げた黄金であり、錬金術であるとぼくは考える。
現代社会において、紙に書いた、ただの紙切れに術をかけて、ありもしないものをあるように見せている。
日本の昔話に、キツネやタヌキが人間を化かす場面がよくみられる。マンガにもよく出てくる。
それは、人間がお金だと思って喜んでいると、それはキツネやタヌキに化かされていたのであって、妖術が切れると、お札の山はただの葉っぱの山になっていた、というやつ。
よく考えてみると、わたしたち人間、日本人が「現金」と呼んでいるものは、現実の黄金などではなく、ただの紙切れである。ただの紙切れにインクで書き込んでいるだけの、無価値なものである。それこそ、トイレットペーパーにもならないし、メモ帳にもならない、紙くずである。風呂のたきつけくらいにはなるだろうが。
そもそも、この紙切れを「現金」などと呼んでいることじたいが、インチキである。
むかしは簡単にニセモノが作れたので、今はさまざまな偽造防止等を施しているが、無価値なことに変わりはない。
現在は電子化されているが、以前は株券も紙で刷っていたので、一夜にして何億円、何十億円もの株券が「紙クズになった」などとニュースになっていたが、元々、それはただの紙切れであったのだ。
それでは、なぜみんな、そんな紙切れが大切なものだと思い込んでいたのであろうか。
「その紙に、魔法がかけられていたからである」
そのペーパーには魔法の呪文が書かれていて、その呪文によって、その紙に価値があるかのように見せられているのであり、それこそが、魔術である。
では、その呪文を書いた魔術師はだれなのであろうか。
その答えは、その紙に呪文を書いたものの署名があるのですぐにわかる。
「日本銀行」
すなわち、日本政府のひとつの機関である。日本銀行というところが魔術をかけているんであり、日本銀行は魔術師である、とぼくは考える。
では、この日本銀行券はどうして世界中で通貨として価値を認められているのだろうか。
それは、アメリカのドル札と交換可能であるからだ。いつもテレビのニュースで為替レートを発表しているから間違いない。
もし、日本円とドルの交換を停止したならば、世界経済は崩壊してしまうかもしれない。
ではドル札はだれが発行しているかというと、どうやらFRBという機関らしく、どうもアメリカの中央銀行ではないらしい。アメリカ政府は憲法で中央銀行を認めていないからだという。
ということは、このたったひとつの機関が世界の通貨の価値を決めており、世界中の人間を魔法にかけている、とぼくは考える。
そもそも、ずっとまえは、日本円もドル札も、黄金と交換できていた。しかし、現在ではそんなことは不可能なので、兌換を停止したのだと考えられる。
ドル札にはこの魔法をかけた魔術師の署名があるはずだ。
この魔法に、世界中の人間が見事にかかってしまっている。この魔術師とその仲間たちによって作られた呪符は、人々を幻惑し、狂わせ、命を奪い、良心の破壊を続けている。ただし、悪い面だけではない。人々に幸福を与えている事実もある。
だが、それが呪符であり、魔術であることに変わりはない。
これは、「錬金術」であり、魔術師は「錬金術師」である。
化学的に黄金を作り出したのではなく、幻術によって黄金を作り出したのだ。
そして、その魔術が現代社会の苦しみを作り出している、といえるのではないだろうか。いうまでもなく、われわれは「お金」に支配され、それを得るために生きている、といえるだろう。
つまり、その魔術師のかけた魔法によって支配され、働かされているのが大部分の日本人なのである。